【食肉製品の食品表示】 食肉製品の4区分とソーセージの表示例を確認してみよう
こんにちは。やさしい食品表示ラボです。
食品を販売する上で、食品表示はなくてはならない表示になります。
アレルゲン情報や添加物の有無など、消費者が購入する上で判断できる情報が食品表示には詰まっております。正しい食品表示を商品に記載することが事業者は求められ、消費者は食品表示の知識を得て、生活上で活用することが望ましいです。
今回は、畜産加工品である食肉製品の4区分とハム・ベーコン・ソーセージの必要な表示項目と必要な表記ルールについてまとめていきたいと思います。食肉製品には、非加熱食品、特定加熱食品、乾燥食肉製品、加熱食肉製品があり、それぞれ表示が異なりますよ。
本記事で学ぶ内容
- 畜産加工品である食肉製品の4区分がわかる。
- 畜産加工品であるハム・ベーコン・ソーセージの表示項目がわかる。
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加工食品とは
加工食品とは、生鮮食品と添加物以外に該当する食品と定義されており、製造または加工した食品になります。加工食品は、チーズ、カレー(レトルト)、牛乳など、多岐に渡ります。
加工食品のうち、一般家庭用に販売される商品、業務用に販売される商品が分類されております。ここでは一般家庭用に販売される商品の表示について説明していきます。
加工食品は4つに分類されるよ
加工食品は、水産加工品、畜産加工品、農産加工品、加工食品に分類されます。それぞれ表示に特徴があり、少しずつ抑えておきましょう。それぞれの表示例・表示項目は下記のページをまとめておりますので、勉強してみましょう。
一般消費者向け加工食品に必要な表示項目とは
一般消費者向け加工食品の食品表示では、必要な表示項目(横断的義務表示、個別的義務表示)が定められております。横断的義務表示を暗記しておき、個々の加工食品によって異なる個別的義務表示は加工食品に紐づけて覚えておこう。
- 名称
- 原材料名
- 添加物
- アレルゲン
- 原料原産地*
- 内容量
- 消費期限または賞味期限
- 保存方法
- 食品関連事業者の氏名または名称および所在地
- 製造所または加工所の所在地および製造業者または加工者の氏名または名称
- 栄養成分表示
- 遺伝子組換え食品に関する事項 など**
**などと記載しているのは、L‐フェニルアラニン化合物を含む旨、乳児用規格適用食品である旨、特定保健用食品及び機能性表示食品も記載する必要がありますが、指定された食品を販売する場合に限られますので、割愛しております。
*原料原産地表記に関して、食品表示基準が改正され輸入品以外の全ての加工食品について原料原産地の表示が義務化になりました。2022年3月まで猶予期間として定められており、食品事業者はそれまでの間に新たな原料原産地表示を対応しなければなりません。
名称、原産地に関する細かいルールは下記の記事でまとめております。
食肉製品(ハム・ベーコン・ソーセージ)の表示に関するルール
ハム・ベーコン・ソーセージは「食肉製品」ですが、食肉製品には、非加熱食品、特定加熱食品、乾燥食肉製品、加熱食肉製品があり、それぞれに必要な表示をする必要があります。早速、詳しく見ていきましょう。
食肉製品の4区分
食肉製品は主に以下の4区分に分けられています。
- 非加熱食肉製品:食肉を塩漬けした後、燻製または乾燥させ、中心部の温度を63℃で30分間加熱、またはそれ以上の効果がある加熱殺菌を行っていない食肉製品。
- 特定加熱食肉食品: 中心部の温度を63℃で30分間加熱 またはそれ以上の効果がある加熱殺菌を行っている食肉製品。
- 乾燥食肉製品とは:乾燥させた食肉製品。
- 加熱食肉製品とは:乾燥食肉製品製品、非加熱食肉製品、特定加熱食肉製品に該当しないもの。
食肉製品(ハム・ベーコン・ソーセージ)の表記項目
食肉製品(ハム・ベーコン・ソーセージ)の表示項目は、下記の項目が必要になります。
- 名称
- 原材料名
- 添加物
- でん粉含有率 ※でん粉含有量が5%を超えるソーセージのみ
- 内容量
- 賞味期限または消費期限
- 保存方法
- 原産国名 ※輸入品のみ
- 製造者等
- 食肉製品の区分
- 包装後加熱か加熱後包装か ※加熱食肉製品のみ
- pH ※非加熱食肉製品のみ
- 水分活性 ※非加熱食肉製品または特定加熱食肉製品のみ
- 殺菌方法 ※該当する場合のみ
- 国産である旨 ※国産品で外国製と誤認のおそれがあるのもののみ
- 無縁せきソーセージである旨 ※該当する場合 のみ
*食肉製品(ハム・ベーコン・ソーセージ)は計量法の特定商品に該当するため、内容重量をgまたはkgの単位で、単位を明記して表示します。
食肉製品(ハム・ベーコン・ソーセージ)の名称の表示について
食肉製品(ハム・ベーコン・ソーセージ)の名称は、食品表示基準の定める名称を表示します。例えば、
- ボロニアソーセージ、ウインナーソーセージなど
1種類の家畜と同種類の原料臓器類を使用し、原料に魚肉類を加えていないものは、ポークソーセージ(ボロニア)、チキンソーセージ(ウインナー)などの表示をすることができます。ブロック、スライスなどに切断して包装したものは、名称の後ろに(ブロック)、や(スライス)を表示しましょう。
また、塩せきを使用せず漬け込んだ製品は「無塩せきボロニアソーセージ」と表示することができます。
塩せきとは、製造工程で、食塩や糖類、発色剤などに肉を漬け込む工程になります。
食肉製品(ハム・ベーコン・ソーセージ)の原材料名と添加物について
食肉製品(ハム・ベーコン・ソーセージ)の原材料名は、一般的な名称で、原材料に占める割合の高いものから順に表示します。
使用した家畜や結着材料などが2種類以上ある場合は「家畜」「結着材」等の文字の次に「〇〇〇〇(牛肉、豚肉)」や「〇〇〇〇(小麦粉)」など、原材料に占める重量の割合の高いものから順に表示しましょう。
また、食肉製品(ハム・ベーコン・ソーセージ)の添加物は、添加物に占める重量の割合の多いものから順に表示します。
食肉製品(ハム・ベーコン・ソーセージ)のでん粉含有率について
食肉製品でソーセージ類の場合、でん粉(加工でん粉を含む)、小麦粉、コーンミールなどの結着材料の含有量が5%を超える場合は、でん粉含有率を表示する必要があります。
食肉製品(ハム・ベーコン・ソーセージ)の保存方法について
食肉製品(ハム・ベーコン・ソーセージ)の保存方法は下記の通り表示することが求められます。
- 非加熱食肉製品・特定加熱食肉製品で水分活性が0.95以上:4℃以下
- 非加熱食肉製品・特定加熱食肉製品で水分活性が0.95未満:10℃以下
- 加熱食肉製品:10℃以下
- 冷凍食肉製品:-15℃以下
食肉製品(ハム・ベーコン・ソーセージ)の殺菌方法について
食肉製品でソーセージ類の場合、気密性のある包装容器に充填した後、120℃で4分加熱する方法またはこれ以上の効果がある方法によって殺菌されたものは、その温度と時間を表示します。
食肉製品(ハム・ベーコン・ソーセージ)の表示禁止事項について
食肉製品(ハム・ベーコン・ソーセージ)では、下記の表示禁止事項が設けられております。
- 「特級」「上級」「標準」等の用語と紛らわしい用語
- 原料肉を2種類以上使用したものにおいて、一部の名称を特に表示する用語
- でん粉などのつなぎを使用したものを原材料の全てが食肉であるかのような表示
- 品評会で受賞したものであるかのような表記
- 官公庁が推薦しているかのような表記
食肉製品であるソーセージの表示例
では、実際、ソーセージの表示例を見てみよう。
●ソーセージの表示例
まとめ
今回は、畜産加工品である食肉製品の4区分とハム・ベーコン・ソーセージの必要な表示項目と必要な表記ルールについてまとめてみました。
食肉製品には、非加熱食品、特定加熱食品、乾燥食肉製品、加熱食肉製品があり、それぞれを抑えておきましょう。
ここがポイント
- 結着材料の含有量が5%を超える場合 →でん粉含有率を表示する。
- 保存方法に関して、食肉製品の区分によって温度帯が異なる。①非加熱食肉製品・特定加熱食肉製品で水分活性が0.95以上:4℃以下 ②非加熱食肉製品・特定加熱食肉製品で水分活性が0.95未満:10℃以下 ③加熱食肉製品:10℃以下 ④冷凍食肉製品:-15℃以下
- 塩せきを使用せず漬け込んだ製品は、「無塩せきソーセージ」と表示可能