【調理冷凍食品の食品表示】冷凍えびフライの食品表示を抑えよう。(衣の率、皮の率に要注意)
こんにちは。やさしい食品表示ラボです。
食品を販売する上で、食品表示はなくてはならない表示になります。
アレルゲン情報や添加物の有無など、消費者が購入する上で判断できる情報が食品表示には詰まっております。正しい食品表示を商品に記載することが事業者は求められ、消費者は食品表示の知識を得て、生活上で活用することが望ましいです。
今回は、加工食品である調理冷凍食品の必要な表示項目と必要な表記ルールについてまとめていきたいと思います。実際、調理冷凍食品である冷凍エビフライを中心に食品表示を見ていきたいと思います。
本記事で学ぶ内容
- 加工食品である調理冷凍食品の表示項目がわかる。
- 調理冷凍食品(エビフライ)の実際の食品表示がわかる。
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加工食品とは
加工食品とは、生鮮食品と添加物以外に該当する食品と定義されており、製造または加工した食品になります。加工食品は、チーズ、カレー(レトルト)、牛乳など、多岐に渡ります。
加工食品のうち、一般家庭用に販売される商品、業務用に販売される商品が分類されております。ここでは一般家庭用に販売される商品の表示について説明していきます。
加工食品は4つに分類されるよ
加工食品は、水産加工品、畜産加工品、農産加工品、加工食品に分類されます。それぞれ表示に特徴があり、少しずつ抑えておきましょう。それぞれの表示例・表示項目は下記のページをまとめておりますので、勉強してみましょう。
一般消費者向け加工食品に必要な表示項目とは
一般消費者向け加工食品の食品表示では、必要な表示項目(横断的義務表示、個別的義務表示)が定められております。横断的義務表示を暗記しておき、個々の加工食品によって異なる個別的義務表示は加工食品に紐づけて覚えておこう。
- 名称
- 原材料名
- 添加物
- アレルゲン
- 原料原産地*
- 内容量
- 消費期限または賞味期限
- 保存方法
- 食品関連事業者の氏名または名称および所在地
- 製造所または加工所の所在地および製造業者または加工者の氏名または名称
- 栄養成分表示
- 遺伝子組換え食品に関する事項 など**
**などと記載しているのは、L‐フェニルアラニン化合物を含む旨、乳児用規格適用食品である旨、特定保健用食品及び機能性表示食品も記載する必要がありますが、指定された食品を販売する場合に限られますので、割愛しております。
*原料原産地表記に関して、食品表示基準が改正され輸入品以外の全ての加工食品について原料原産地の表示が義務化になりました。2022年3月まで猶予期間として定められており、食品事業者はそれまでの間に新たな原料原産地表示を対応しなければなりません。
名称、原産地に関する細かいルールは下記の記事でまとめております。
調理冷凍食品の表示に関するルール
「調理冷凍食品」とは、農畜産物に選別、洗浄、不可食部分の除去、処理、調理、加熱を規格に準じて行ったものを冷凍したもので、簡単な調理をして食べるもの、または調理しないで食用に使われるものを言います。では実際の表示項目をみていきましょう。
調理冷凍食品の表記項目
調理冷凍食品の表示項目は、下記の項目が必要になります。
- 名称
- 原材料名
- 添加物
- 原料原産地名 ※該当する場合のみ
- 衣の率または皮の率 ※基準に該当するもののみ
- 内容量
- 賞味期限
- 保存方法
- 原産国名 ※輸入品のみ
- 製造者 等
- 飲食の際に加熱を要するかどうか
- 凍結直前に加熱されたものであるか ※加熱調理の必要性があるもののみ
- 冷凍食品であること
- 使用方法(解凍方法、調理方法等)
- 内容個数
- 油で揚げていること ※該当する製品のみ
- ソースを加えたこと ※該当する製品のみ
- 原料米の産地 ※冷凍米飯類のみ
調理冷凍食品の名称の表示について
調理冷凍食品の名称は、下記の通り表示します。
- 「冷凍フライ」「冷凍焼売」「冷凍春巻」「冷凍ハンバーグステーキ」などと表示
- 冷凍飯類:「冷凍米飯類」「冷凍炒飯」「冷凍焼きおにぎり」等と表示
- 冷凍麺類:「冷凍めん」「冷凍うどん」「冷凍スパゲティ」等と表示
※食品表示基準の名称に該当しないピザ、グラタン等は「冷凍ピザ」「冷凍海老グラタン」「冷凍肉まん」等と表示。(これらは冷凍の文字は省略可能)
調理冷凍食品の原材料名に関して
調理冷凍食品の原材料名に関して、冷凍エビフライを例に考えてみよう。
冷凍エビフライの場合は、①添加物以外の原材料(加熱調理用の食用油を除く) ②加熱調理用の食用油 に区分し、重量の割合の高いものから順に表示します。
- 添加物以外の原材料(加熱調理用の食用油を除く)
・「衣」の次に括弧をして詳細を表示
・砂糖類は「糖類」と省略可能 - 加熱調理用の食用油
揚げている場合は「揚げ油」の次に括弧をして表示
その他の冷凍食品の場合、「ソース、具、調味料、かやく、加熱調理用の食用油以外の原材料」とソース、具、調味料、かやく、加熱調理用の食用油に区分して表示します。
※めんの場合「ソース」や「具」にあたってそれぞれの文字の次に括弧をして表示します。
調理冷凍食品の添加物に関して
調理冷凍食品の添加物に関して、冷凍エビフライを例に考えてみよう。
冷凍エビフライの場合は、使用した添加物を、①添加物以外の原材料(加熱調理用の食用油を除く)と②加熱調理用の食用油 に区分ごとに、重量の割合の高いものから順に表示します。
栄養強化の目的で使用される添加物は省略規定は適用されないため表示しましょう。
その他の冷凍食品の場合も、原材料名同様に、「ソース、具、調味料、かやく、加熱調理用の食用油以外の原材料」とソース、具、調味料、かやく、加熱調理用の食用油に区分して表示します。
調理冷凍食品の内容量について
調理冷凍食品の内容量は、グラムまたはキログラムの単位で表示します。ただし、冷凍ハンバーグステーキ等ソースを加えたものは内容重量及びソースを除いた固形量をグラム又はキログラムで表示します。
調理冷凍食品の衣の率、皮の率について
調理冷凍食品の衣の率、皮の率は下記商品に関して定義づけられております。
- 対象アイテム:冷凍魚フライ、冷凍エビフライ、冷凍イカフライ、冷凍カキフライ、冷凍コロッケ、冷凍カツレツ etc
- 衣の率:パーセントの単位で表示(実際の比率を下回らない5の整数倍の数値)※食品表示基準で定める割合以下の場合は表示する必要はない。
- 皮の率: パーセントの単位で表示(実際の比率を下回らない5の整数倍の数値)※食品表示基準で定める割合以下の場合は表示する必要はない。
●表示例:冷凍エビフライの場合:50%(食用油脂で揚げたものは65%)以下
調理冷凍食品の飲食の際、加熱の有無に関して
調理冷凍食品では、加熱調理の必要性の有無を表示します。
ex,「加熱してお召し上がりください」、「加熱用」etc
調理冷凍食品の凍結直前に加熱されたものであるかに関して
調理冷凍食品では、喫食する際に加熱が必要な商品に関しては、凍結前加熱の有無を表示します。
ex,「凍結前加熱」「加熱してあります」「加熱してありません」etc
調理冷凍食品の別記様式への表示事項以外の必要な表示項目
調理冷凍食品の別記様式への表示事項以外の必要な表示項目に関して、下記の通りです。注意して表示しましょう。
- 使用方法:解凍方法・調理方法を見やすい箇所に表示
※自然解凍調理冷凍食品はその旨を表示 - 内容量:個数管理が困難でない場合「〇個入り」「〇枚入り」等と見やすい箇所に表示
- 油で揚げている旨:見やすい箇所に16ポイント以上の大きさの文字で表示
- ソースで煮込んだ又はソースを加えたこと:見やすい箇所に16ポイント以上の大きさの文字で表示
- 食肉の率、魚肉の率:①パーセントの単位で表示(実際の比率を下回らない5の整数倍の数値) ②見やすい箇所に16ポイント以上の大きさの文字で表示 ③ソースを加えている場合はソースを除いた場合の率 ④食肉・魚肉の含有量が40%以上の場合は表示する必要はない
- 冷凍めん類に関する事項:製麺後加熱処理をし、凍結させたもので、「冷凍ゆでうどん」等と表示 ①「冷凍食品である旨」 ②「なま、ゆで、むし、油揚げ、半なまであること」を名称と合わせて表示する ※15ポイントの活字以上の大きさで表示
調理冷凍食品の表示例
では、実際、調理冷凍食品の表示例を見てみよう。
●調理冷凍食品(冷凍エビフライ)の表示例
まとめ
今回は、加工食品である調理冷凍食品の必要な表示項目と必要な表記ルールについてまとめてみました。
ここがポイント
- 冷凍エビフライの原材料表記:①添加物以外の原材料(加熱調理用の食用油を除く) ②加熱調理用の食用油 に区分し、重量の割合の高いものから順に表示。
- 冷凍エビフライの添加物表記:使用した添加物を、①添加物以外の原材料(加熱調理用の食用油を除く) ②加熱調理用の食用油 に区分ごとに、重量の割合の高いものから順に表示。
- 冷凍エビフライの衣の率、皮の率:パーセントの単位で表示(実際の比率を下回らない5の整数倍の数値)※食品表示基準で定める割合以下の場合は表示する必要はない。